黒板・チョーク・試験管  NO.4  ズバリ言うわよ  (2007.12.7)

授業で、分かりやすい説明を心がけるのは、言うまでもないことである。
説明には、多くの言葉は使わない方がいい。
まさしく、的確な表現で「ズバリ」言うのがいいと思う。
難しい現象でも、なるほど、と納得させられるようなたとえ話を工夫するのを
信条としている。

中学生には、毎時間ひとりの当番を当てて「授業日誌」を書いてもらっている。
先日の中2の授業日誌に「最初のうちは、少し心配になったが、
先生の“ポロッ”と言った一言でよく理解することができた」と書いてくれた
生徒がいた。何のことか知りたかったので、たまたま準備室に来たときに
聞いてみた。
すると、化学反応式に係数を付けるところで、私が「登場回数の少ない原子
から合わせるのよ」と言ったのが、とてもよくわかったのだそうだ。
へええ、そうなんだ。

しかし、失敗もある。
反応速度のところで、温度が上がると反応速度が増すのは、活性化エネル
ギーを越えられる分子の割合が増えるからであるが、
それは「受験生が優秀になって、合格者が増えるのと同じ」、
触媒を加えると反応速度が増すのは、
活性化エネルギーが小さくなって反応できる分子の割合が増すからであるが、
それは「合格最低点が下がって、合格者が増えるのと同じ」と口頭で
説明してきた。これまでの生徒は、なるほどという顔をしてくれていた(と思っていた)。
今年は、調子に乗ってこれをプリントに書いた上に、
得々として説明したところ…生徒の顔が引きつり、教室はシーン。
高校3年生の11月に、不用意なたとえ話だったのかもしれない。
あわてて、触媒のほうを、
「隣町まで行く峠が低くなって、じっさま、ばっさままで峠を越えられるようになった」と
説明したら、ようやく笑ってくれた。

日々、精進を続けるのみである。